時の話題 「平成あと1年」
来年5月1日をもって天皇陛下は御退位され皇太子さまが即位すると共に元号も「平成」から変わる。先日TVを見ていると今年の5月1日~来年4月30日までの1年間を〝平成最後の日〟とする動きがあるように報道していた。
明治のM、大正のT昭和のS、平成のHの頭文字はないようなのだが、果たして新元号は。29年前の1989年1月8日の「平成」という元号発表後は「平成」という名の付いた会社の登録があったというのだから日本人にとって如何に元号が根を下ろしているかを物語るものであり、来年2月の天皇陛下御在位30周年式典あとに公表されるという新元号がどうなるのか。興味は尽きない。
終戦後に定められた日本国憲法によって天皇陛下は日本国と国民統合の象徴であり、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く(第一条)とされ主権は国民にあることが明文化されているものの、国民の陛下への思いは象徴を超えた存在であり、敬う心持は昔と今も変わりはしない。
筆者は現役記者時代、稚内に行幸啓された天皇・皇后両陛下の様子を写真に撮り、お言葉を取材した経験があるが、身近で接するとそれはそれは恐れ多い存在であり、カメラを持つ手が震えたのを忘れることができない。
若い頃、天皇含めた皇族は我々市井の者の苦労など分からない呑気な存在くらいにしか考えなかったものだが年を取ると共に国民に接する陛下の佇まいが現人神のように見えるのだから不思議だ。
あと1年。国民の大多数は御退位に断腸の思いなのでないのか。