時の話題 「鮭も高嶺の花に」

 昨年に続いて今年も秋サケ定置網漁が振るわない。不漁なことから浜値は著しく上昇しておりイクラも必然的に高騰している。稚魚放流事業が奏功し、堅調だったアキアジ漁に異変が起きている。
 この異変は、稚魚放流した年の海水温が低かったことから相当数の稚魚が死滅したためと専門家は分析しているが「海水温が低い」というのは俄かに信じがたい。というのは地球温暖化によって海水温の高さ(上昇)が問題となっているのに逆の現象であり、専門家には詳しい説明を求めたいものだ。
 その問題は別にして稚魚が育たず3、4年の成魚の来遊が減っているのは事実で数量は全道各地で不漁だった昨年をも下回っており、元々数量が少ない日本海北部で前年を上回っているだけの漁模様で全道的には相当量減少している。
 宗谷海調委(振興局水産課内)によると今月10日までの宗谷管内の水揚げ状況はオホーツク西部(宗谷~枝幸)が139万匹(前年対比19万匹減)、48億円(同16億円増)、日本海北部(宗谷漁協3カ統休漁のため稚内漁協分)16万7千匹(同7500匹減)4億9300万円(同1億7300万円増)の156万匹(同20万匹減)52億9千万円(同17億9千万円増)と、道内の他の海域を尻目に程々の水揚げ状況になっている。
 量が少ないので浜値は上がっており、1匹当たりの価格は昨年の2千円を7割も上回る3390円にハネ上がっている。道理でスーパーでも高いわけだ。
 物価の優等生だったアキアジも庶民の食卓から遠ざかるのか。

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