時の話題 「人手不足」
安倍首相が強調するように雇用状況は改善しているが求人しても人が集まらない人手不足は深刻化している。
稚内職安管内(稚内、猿払、豊富、利礼3町、天塩、遠別)では有効求人倍率の1・2倍超えが7、8月と2カ月続いている。求職者100人に対し事業所の求人が120人以上もあるということで売り手市場の状況を呈している。
ただ中味を見ると求人と求職に大きなミスマッチがあり、8月の同所管内のパート含む常用の状況は事務職(0・25倍)、軽作業(0・43倍)への求職者が多いものの、専門技術(3・46倍)、輸送運転(2・46倍)、サービス(2・24倍)などと求人の割に求職が大幅に少ない。
専門技術というのは建築・土木・測量技術者、看護師、保健師、医療技術者、栄養士などのことで、看護助手・歯科助手、接客サービス、販売店員なども人が集まらない。
本紙でも人員が手薄になった制作部のスタッフを募集しているが広告を載せ職安さんに登録するもここまで採用に至っていない。このような事は過去なく人手不足に相俟った売り手市場を実感しているところだ。
看護師など医療系スタッフの不充足は今更のことでなく、建築関連は過去あった公共事業縮減の雇い止めの結果であり、運転者不足は周知の通りだ。
会社にとって人は宝なりといわれるが、人が集まらない状況は何時まで続くのか。働く人がいなければ企業活動自体が成り立たず廃業という憂き目にも会う。他人事であった人手不足を今、小社も経験している。