時の話題 「サハリン航路」
再開され2年目のサハリン航路が終了した。利用客は目標の4割減の1374人(昨年515)に止まったが、サハリン州民対象に運賃を30%値下げした8月以降は900人もの利用があり、遣り方次第では乗船客が増えることが分かった。
改めて浮上したのはサハリン海洋汽船(サスコ社)の「ペンギン33」(270㌧・定員80人)は5回の欠航が物語るようシケに弱いということであり、代替船探しが焦眉の急となったが、サスコ社では新造船建造も計画しているとされ、今後の使用船舶の流動性が改めて浮き彫りになったといえよう。
今年の乗客は日本人485人、ロシア人807人、その他の外国人82人という乗船内訳でロシア人が59%を占めた。サハリン州との航路なのだからロシア人が多いのは至って当たり前のことであり、運航途中の8月から始めたサハリン州民向け運賃の30%値下げが奏功したよう来年以降は運航始めからの運賃配慮が望まれる。
今年の決算はこの先公表されるが赤字には違いなく、稚内市からの補てんは必至の状況にあるが、運航再開した初志どおり助成し航路の経営安定化に資する必要があろう。
サハリン航路は北方領土墓参と同様、日本とロシアとの善隣友好ひいては両国の平和条約締結にとっても欠かせない草の根交流の一つである。国、そして道の助成があって継続できるものであり、来月10日に公示される衆院選道12区候補者間の争点にしてくれればとさえ思っている。
一般会計で高々220億円程度の稚内市予算では限界があろう。