サハリン航路今季最終便出港 1374人利用し手応えも
6月5日から運航してきたサハリン航路の最終便が21日朝、乗客29人を乗せコルサコフ港へ向け出航した。
最終便にはサハリン友好都市青少年交流受け入れ事業で来市していたコルサコフ市の高校生3人などロシア人29人が乗船し、午前8時半過ぎ稚内を出発した。
今季は39往復78便運航予定に対し34往復68便の運航で1374人(昨年515)が利用した。当初2180人の乗客を見込んでいたが、6~7月はユジノサハリンスク市と千歳間などを結ぶ航空路線との競合でロシア人乗船客が伸びず、目標に届かなかったものの、8月からはサハリン州民を対象に旅客運賃を30%値下げした効果もあって9月までの2カ月間で900人と伸びた。
今季の運航について藤田幸洋北海道サハリン航路社長は利用実績など振り返った上で「去年の試験運転から定期運航になり手応えはあった」と話した。
来季に向けては今月14日、運航会社のサスコ社と懇談してきた日向寺専務は、使用船舶「ペンギン33」はスピードはあるも波に弱いことから安定的な船を探し、今年より早い時期に運航契約を完了し予約開始時期を早める。今年同様の運航回数を目指すことなど協議してきたことを説明した。
今季2回ペンギン号でサハリンを往復してきたという藤田社長は「今年は日本人の若い人や欧米人の利用が増えた印象がある。稚内に航路があるというのは知られておらず、人と人を繋ぐ人的交流を担う航路として広く知ってもらい、利用客を増やしていきたい」と来季に向けての決意を語った。