時の話題 「国の光を観る」

 観光最盛期を迎えツアーや個人に加え「インバウンド」を称する外国人観光客の姿を目にすることがある。先日、紋別への墓参りの道すがら今年はバイクが多く、更には自転車の旅人にも出くわし、昨日午前中には市役所前で5人一組となった自転車の2グループに遭った。自転車ツーリズムの波が最北の地にも押し寄せていることを窺わせている。
 観光という言葉は元々、五経のひとつ「易経」のことばで最高のものを見る、国の光を見る―という意味がある。観るというのは「すでに一定しているものを映すことでない。無限に新しいものを見い出して行くことである。」(倫理学者・和辻哲郎)とあるように人の根源に係わるものを見出して行くことであり、然して観光は古今東西廃れることはなく、日本最北端という地の利に恵まれ、利尻、礼文という離島を抱える稚内観光は一時の空前のブームは去ったが基幹産業であることに変わりはない。
 前述した自転車ツーリズムは大いに結構なことだが、枝道は兎も角、国道40号、238号など幹線道路はそれように造られておらず、道路脇ギリギリを走行しているのが気に懸かる。自動車も対向車がある場合は自転車の直ぐ横を通り過ぎなければならないという非常に危険な道路事情にあることは是正しなければなるまい。
 バイクも自転車も歩行者も安全に道路を使用できるよう努めなければならず、自動車の運転者には肝に銘じ運転するよう求めたいし、「国の光を観る」という国の根幹に係わる観光に関係する方々多くの矜持も望んでいる。

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