時の話題 「自転車観光」
観光の形態が変わりモデルコースをただ回るだけでなく観光客個々のニーズに合わせ広がりを見せている。その中で国は今年5月1日、自転車活用推進法を施行。道内は道開発局が5つのコースを設けサイクルツーリズムを推し進めようとしている。聞き慣れないが〝自転車観光〟の波、いや自転車に乗り遅れまいと始動した。
道北では和寒~稚内・利礼両島まで17市町村を結ぶ全長350㌔㍍の「きた北海道ルート」が設定され、ゴールは北のてっぺん宗谷岬とした。
自転車での周遊はヨーロッパや台湾などの富裕層に人気があり、この数年は国道に列を成し走行する外国人ライダーを見るようになった。
燃料と運転者の体力が持てば休むことなく走行する車と違い、人力で走行する自転車旅行には適度の休みが必要で、休憩ばかりでなく食事をし土産を買うこともあろうし、夜だってテント泊だけでなくホテルに宿泊することだってある。お金に困らない人達なので休憩や宿泊先で消費も高額なものがあろう。
稚内開建はこの「きた北海道ルート」の案内表示を国道にし推進しようとしているが、道路は車が優先され自転車はそれこそ道路脇の隅に追いやられているというのが現状で、道内は尾道と四国を結ぶ〝しまなみ海道〟(本州四国連絡橋)ような自転車専用道などは珍しく、ある程度幅のある走行ゾーン設定も自転車観光を進める上での課題となろう。
東京直行便など交通アクセスが便利なのもいいが、急がない余裕のある観光への対応も稚内観光には大切だ。