時の話題 「健かな外交」

 北朝鮮も仲々やるものだ。安倍さんとトランプさんが日米トップ会談をしている最中、弾道ミサイルを飛ばすとは。それも打ち上げの高度を高くし日本の日本海EEZ外に落ちるよう技術力も見せつけるという窮鼠猫を噛む然とした挑発行為だったが不謹慎とは思うものの、痛快さも感じないではなかった。
 しかし、そんな鷹揚に構えるほど、のんびりしていられる事ではなく日米トップが緊急会見を開いたのは理に適った対応だったか。
 日本や韓国、米国は北朝鮮に対し寛容の忍耐を超えると間髪置かず制裁を加えるが、先ずは自陣内に取り込むことも手段のひとつでないのか。理解者だと振舞い言うことを聞かなければ灸を据える式の対応を取ればいいのに直ぐに敵と味方に分け事に当たる。自分の懐中に入れじっくり諭していく手段も時として必要だろう。
 拉致問題にしても当時の小泉総理の北朝鮮への電撃訪問以来、進展していない。先ずは相手の懐に入らなければならない。
 映画「ゴッドファーザー」で長兄が妹の亭主の裏切りに遭い銃殺されたあと、次のドンになった末弟(アル・パチーノ)はその裏切り者を自分の傍に置き数年後殺害する。事を成すには相手を油断させ機を窺う辛抱強さが必要ということだ。
 何事も短気は事をし損じるということであり、物事を成就させるには目先の事だけでなく鳥の目の俯瞰力がなくてはならない。
 ゴルフ外交も結構だが、外交には健かさが絶対条件であり、それは自らの体験から習得するものだ。短絡的ではいけない。

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