時の話題「しょげるな」

 高校生の就職戦線が解禁され、管内でも稚内信金などで採用試験が実施されており、その最中にある高校3年生に知人宅で話す機会があった。
 遠別の高校に通う男子生徒は市内にある大手乳業会社の試験を受けたばかりで、1人採用の狭き門に不安を募らせていたが、これまで一切レールの上を歩んで来なかった当方は、人生の先輩として「仮に落ちたとしても選択肢は星の数ほどあり悲観することなく前向きに取り組んでいったら」などと知った風な助言をした。
 親御さん共々「寄らば大樹の陰」ではないが、組織が潰れることのない官庁や大きな会社に就職できることを望む安定志向が強いが、大きな組織だと歯車の一つになり埋もれてしまうことが間々ある。
 他方、小さな組織だと己が力を発揮できる場面が多く埋もれてしまうことはない。
 ただ小さいと倒産したりする割合が高く安定という意味では綻びが生じ易い。嘘のような話だが入社し1カ月も経たないうちに会社が潰れてしまった新入社員がいたことを側聞したことがある。
 稚内のような地方の小都市だと一番の就職先は役所であり、稚内信金や団体が続くか。これらの採用試験は倍率が高く大半は不合格となり弾き出される。しかし、ここで意気消沈してなんかいられない。生きていかなくてはならないのだから。
 今、現実に就職試験に落ち消沈している高校生らに言いたい。この先の人生は長く、今がその勝負の時ではないということを。試験に受かった人達は安心しているだろう。勝負の10年後、20年後のためにじっくり力を蓄え、カメがウサギを抜くように臥薪嘗胆しなければならないのだ。
 人生に浮き沈みは付き物であり辛苦の時こそ忍耐しなければならない。そこは若さの特権で何事にもへこたれず、前向きに生きてさえいれば曙光も見えてこようというものだ。
 自分の力で人生のありよう変えねばならない。

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