時の話題「申し送り」
役所でも民間会社でも前任者から後任者への引継ぎ事項を伝達することを「申し送り」というが先日、道出先の幹部職員と話をする中「申し送りにあった通り、かなりの瞬間湯沸し器ですね」などと性格の一端を相手方から言われた。
国や道では自分達と同じように数年で人が替わるマスコミへの申し送りはないだろうが、我々のような地元に関しては記者らの取材姿勢や性格など粗々綴った、この種の申し送りはあるだろう―と薄々感じてはいたが、実際に直接言われたのは初めてのことであり、それが出先とはいえ重責な立場にある人からはっきり言われたことにある種の驚きはあった。その驚きとは余りにも口が軽いということである。
対人関係というのは申し送りで事足りることではなく、話をしたり盃を交わすなど実際に交流し、その関係を醸成していくものであり「申し送り」などというもので相手を分かった気でいるのは余りにも自己の対人観察を怠るものであろう。
この申し送りだけでなく、官公庁の幹部職員には各新聞の抜粋記事が提供されており、その作業を一般職員がやっているのを見るにつけ「新聞くらい自分で見ろよ」と言いたくなる。
官庁職員は普通、年功を重ねれば昇進するものだが、ある一定程度より上はポスト数も少なく、従って上司の思し召し含め運が重きを占める。
しかし基本的には公務員というのは国民・道民・市民の公僕であり、役職が上になろうが、偉そうな態度や物言いは慎むべきではないのか。
世の中には相手に対して言ってはならない禁句がある。相手がその禁句を破ったのだから、こちらの主張も先鋭的になろうというものだが、ふと考えると、そんなにめくじら立てなくてもよかろうという気持ちもある。
ただ、この職員の性格は個人的には嫌いではない。胸に一物あり慇懃無礼な人よりは正直であるが、やはり禁句はあるので心した方がよかろう。