時の話題 「若者の地元定着」

 来春、卒業見込みの高校生の就職内定が好調のようだ。稚内職安の担当者は市内の稚高、大谷高2校に関しては今年中にほぼ全員の就職が内定するだろうと就職戦線の明るさを強調していたが、胸算用通り行くのか。
 同職安の10月末就職内定率は71・2%(昨年同月64・3%)と堅調に推移しており、その後の11月、12月初旬の内定も順調なのであろうから強気の予想となったのだろう。
 この内定状況公表で気になるのは求職者の少なさで同所管内で卒業見込みの413人の17・7%の73人しか就職を希望してないということである。
 昔、中卒者を〝金の卵〟と言ったが、今や高校生がその存在と化している。時代が変わっていると一言で片付けられるのだが、稚内など市町村にとって頭の痛い状況であろう。
 人口減が著しく進行する中、若者の地元定着が将来のマチの発展にとって欠かせぬ条件になっている。しかし現実は地元を離れ札幌などの大学、専門学校に進学し、そのままUターンせず都会に残ってしまうケースが多くある。
 その一番の理由は就職先であろう。稚内などでは限られた求人しかないので飯の種になる仕事のためには札幌などの方が有利ではあるのは確かだ。しかし都会で生活し家庭を築き、言うところの幸福な人生を送るのは都会ではかなり難しい。
 稚内などであれば真面目に働いてさえいれば家だって持てる。何といっても神経を磨り減らす激しい競争が都会に比べれば減じるからだ。
 田舎の方が人生の安寧を得られる。

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