壮絶な人生について語る 会議所青年部例会で小林さん

 稚内商工会議所青年部(今村仁泰会長)の例会が8日夜、福祉センターで開かれ、山梨の老舗スーパーやまと元社長の小林久さんの講話を聞いた。
 参会した40人を前に今村会長の挨拶に続き小林さんが「こうして店は潰れた~地域土着スーパーやまとの教訓として明日へ」と題し講話した。
 小林さんは、先代の極端な安売りによる経営悪化で1億5000万円もの赤字があるなか3代目社長に就任。その後も赤字経営が続き倒産寸前までなるも創業者である祖父の人脈で古くからの取引先が手を差し伸べてくれたこともあって、経営の見直しを進めた結果、2年間で赤字を解消した。
 これを機に、〝地域のために生きる〟との思いを強くし、買物弱者向けの移動スーパー事業、ホームレスの正社員雇用など出来ることを実行してきたことから地域からの信頼を再び取り戻し黒字へと転じたものの、4年前の年末商戦を前に納品が止まり倒産した。
 自身の人生を赤裸々に語った小林さんは、地域貢献が必ずしも商売に繋がらないこと、破産者としての辛さなど吐露する中、「同じような経験をしている人が日本には年間で7万人いる。辛い時は助けを求めること、そういう人が周りにいれば一声かけるだけで救われるのではないか」などと話していた。

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