時の話題 「新総裁に岸田氏」

 コップの中の争いとはいえ総理大臣になることが決まっている自民党の新総裁に岸田文雄氏(64)が選出された。河野太郎氏(58)との決選投票は3位の高市早苗氏(60)に投票した議員が岸田氏支持に回り勝負は呆気なく終わった。
 小泉進次郎、石破茂両氏と小石河連合を組み菅首相の支持を得たにも拘らず、舌禍など不安のある河野氏は、安定した岸田氏に大敗を喫したのだが、特筆すべきは靖国神社参拝を公言するなど右寄りの姿勢を前面に出した高市氏の健闘であろう。
 かませ犬程度だったであろう高市氏への支持増大は安倍元首相の力が大きかったとはいえ弁論さわやかで国政のほぼ全てに精通しているという政治家としてのレベルの高さもあるのだろうが、日本でも右傾化が顕著になっているという捉え方もでき、彼女の今後の動向には目を向けなくてはならない。
 それにしても安倍さんはしたたかだ。岸田氏対河野氏の一騎打ちでは岸田氏不利と見て高市氏を立てることで票の分散化を図り、野田聖子氏(61)を含めた立候補者4人出席の公開討論での河野氏の敵基地先制攻撃など自民党としての党是を無視し中堅・若手グループ「党風一新の会」との意見交換会での本音剥き出しの姿勢に不安を覚えた若手議員が増えたのではないのか。
 国盗りを目指すには自らの本心を包み隠す狡猾さを身に付けねばなるまい。
 コップの中の争いとはいえ告示後、楽しませてもらったことには感謝するしかない。その程度の感想しか出てこない総裁選だった。

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