時の話題 「水産あっての稚内」

 宗谷漁協の昨年度取扱い(水揚げ)実績が公表され、コロナ禍でのホタテ価格の低迷により前年度の46%減の68億6600万円まで落ち込んだ。
 史上最高額127億円から一転してしまったが、それでも70億円近い水揚げ高を誇り底力を誇示した。養殖計画によって生産量はほとんど変化がないのでコロナが収束に向かえば価格も上伸するはずで、主な輸出先の中国での経済回復が他国と比べ順調なこともあり今年度は輸出量も増え価格も上昇することが見込めることから以前のような価格に近付くことが予想されよう。
 一方、ホタテ養殖をしていない稚内漁協の市場取扱い高は20億7000万円と、前年度の22億7000万円を9%下回るだけと、コンブの大不漁はあったものの、堅調だったナマコ、毛ガニなどが補った。
 2漁協合わせた取扱い高は90億円近い金額になり、それに稚内機船漁協の沖底漁船分を入れると100億円を超える。コロナによって他の業界が塗炭の苦しみを舐める中にあって土建業界と共に稚内経済を支え基幹産業たる底力を如実に示したといえよう。
 基幹産業のもう一つ観光業はどの業界より痛手を被りGoToトラベル、どうみん割などによって一時的に底を脱した感あったが、今では元の木阿弥に。昔、経済界の重鎮が「観光は根無し草だからね」と言っていたのを思い起こしている。
 であるなら根がある産業にするにはどうすればいいのか。
 コロナ終息後の社会は変容するに違いない。旧態依然では潰れるだけだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です