平和への誓い新たに 九人の乙女平和祈念祭 同僚だった木本さんと栗山さん出席

 第58回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、文化センターで営まれ、参列した乙女の同僚や関係者は平和への誓いを新たにした。
 新型コロナウイルス感染防止のため、参列者は例年の半分以下とし、遺族はじめ実行委ら関係者の52人が出席し開催された。
 樺太物故者への黙祷に続き、実行委員長の工藤市長が「悲惨な歴史を風化させることなく人類の恒久平和のため、世界の人々と助け合っていくことが大切であることを心に念じ、樺太の悲劇を再び繰り返すことのないよう次代を担う若い世代に戦争の悲惨さ、平和の大切さ、命の尊さを訴え語り継ぎ、平和の実現のために日々努力することが私たちに課せられた使命であります」などと式辞を述べた。
 鈴木道知事(代理・村上喜一宗谷総合振興局くらし・子育て担当部長)ら来賓4人が慰霊と平和を祈念する言葉を述べたあと、九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、マスク姿の参列者が一輪菊を捧げ、九人の乙女や樺太で亡くなった日本人の冥福を祈ると共に世界の恒久平和を祈念した。
 九人の乙女と一緒に真岡郵便局で働いていた木本孝さん(92)=千歳市=は10年以上ぶりの出席に「あれから75年が経ち年齢的にも今回が最後という思いがあり出席させていただきました。友人たちの苦しみを思うと悔しく、ここでお参りすることが私の責任です」と語り、同じく同僚の栗山知ゑ子さん(92)=和寒町=は「年上だった彼女たちは皆やさしく仕事や踊りを教えてくれるなど私たちを可愛がってくれました」と往時を懐かしんでいた。

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