時の話題 「小ネタ尽きぬよう」

 全国3紙と道新を毎朝読む中、4紙とも必ず目を通すコーナーがあり、朝日の「折々のことば」もその中のひとつである。
 12日㈰には「人口が減っても地域は簡単になくならない。小ネタが尽きると、あっという間に地域は衰退する」という選者の鷲田清一氏が選んだ言葉に共感し、〝小ネタ〟という言葉に惹かれた。解説には「一発勝負の大改革でなく日々の生活に潜む、無理のない、でもちょっと楽しい、そんな手がかりの集積だ」と。東大社会科学研究所で危機対応学プロジェクトを推進した玄田有史・荒木一男両氏が得た仮説なのだという。
 年初からのコロナ禍、今月に入ってからの九州豪雨、遡れば9年前の東日本大震災など日本列島には突発的かつ複層の危機があるも地域が無くなる事はなく住民は逞しく生活している。
 稚内でも200㌋問題、国鉄広域異動など幾多の試練があり、人口はピークの5万8000人から3万3000人まで減ってしまったが、マチとしては存在し、潰れた会社はあるものの、大方の会社は存続し減量経営を強いられながらも経済活動することで雇用を生み市勢維持に一役買っている。
 経営者は人口減少を将来の営業継続への足枷と話すが、〝折々〟に依拠すると人口減でマチは滅びることはなく市民の生活の中から自然と湧き出るようなコト・モノが無くなってしまうと地域の活力が萎えてしまうので、小ネタがある限り稚内は存続する。
 10日小欄のトキワ荘の住所は東京都豊島区の誤りでした。

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