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 稚内副港市場内の稚内副港開発(中田伸也社長)が運営する「港のゆ」など直営店9店舗は31日もって閉店する。市民からは馴染みある施設がまた一つなくなることに惜しむ声が聞かれた。
 副港市場は2007年4月28日、市など出資した副港開発が沖底漁船で賑わいを見せたかつての第一副港地区を観光地化するため、総事業費23億円を投じオープン。稚内の往時の雰囲気を再現した施設内は、日帰り入浴施設「港のゆ」、飲食店などテナントが入る複合商業施設で、多くの観光客が集まる目玉イベントの稚内サハリン館が行われるなど、市民の憩いの場であると共に観光施設として賑わいを見せていた。
 近年は来場者が減少を辿り、経営不振に陥ったことで譲渡する交渉が続けられてきたものの決定するに至らず今月18日、譲渡を断念。テナント8店舗と樺太記念館を除く直営店を閉鎖することになった。
 30日夕方、港のゆには閉店を惜しむ市民で混雑=写真=。春休みで家族と帰省中の40代女性は「帰省するたび入浴に来ていた思い出の場所がなくなるのは寂しい」と残念そうに話し、ここ数日はいつもより多くの人が来店しているというスタッフらは「残念でならないが受け止めるしかない。感謝の気持ちを胸に最終日まで営業したい」と話していた。
 オープン当初から勤務している當磨拓巳館長は「未だ実感がありません。長く居ただけに寂しくなる」と肩を落としていた。
 市場はテナントが残っているため、9月末まで開く予定にある。