時の話題 「コロナ場所」

 大相撲大阪場所は千秋楽に横綱同士の相星決戦があり白鵬が44回目の賜杯を手にした。
 無観客で仮に力士などにコロナウイルス感染者が出た場合、即刻中止するという異常尽くめの〝コロナ場所〟をTVで見てつくづく思ったのは観客席に人っ子一人いないという具のない刺身のような味気無さだった。
 具は無くとも刺身は勿論食べれるのだが、何気なく普段通りある具が無いのは一言で言うなら興醒めする。そのような変な感覚を千秋楽の最後まで拭い去る事はできなかった。
 優勝した白鵬もその辺りの心の持って行き方に言及していたが、その中で序の口~幕内まで全力士はよくぞ頑張ったもので、八角相撲協会理事長は心身ともの鍛錬に触れ力士を称えていたのは涙ものであった。
 大相撲というのは観客の声援があってこそ成り立つ興業であること改めて教えられた。
 その中で関脇朝乃山が大関貴景勝に勝ち大関昇進を確実にしたのは朝関の精神力を物語るものであり、先場所も最後に4連勝し10勝と(大関への)権利を確保するなど土壇場での強さを発揮した。恐らく横綱にもそう遠くないうちに昇進するであろう。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため様々な行事・イベントが中止される中、無観客といえ場所を開催した相撲協会の英断は筆者のような好角家だけでなく全国民を鼓舞したのでないか。コロナに負けるなと。
 日本の安寧を願い天から降りて来て土俵下にいた神も無事つつがなく大阪場所が終わった事に安堵し天に戻ったことであろう。

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