実質、最後の卒業式 稚内北星大学23人が学舎巣立つ

 稚内北星大学の第19回卒業式は20日、講堂で行われた。新型コロナウイルスの感染防止のため式辞など取り止め規模縮小する中、情報メディア学部の23人(男20)が4年間学んだ学舎を巣立った。
 式は20分余りに短縮し卒業生ら参加者の席を2㍍ほど離して行われ、スーツや晴れ着姿で出席し登壇した卒業生一人ひとりに斉藤学長から卒業証書が手渡された。
 斉藤学長の式辞は式終了後に卒業生に渡され、その中で「この一年間は大学の存廃を巡って様々な動きがありましたが、大学での4年間の経験に誇りと自信を持って巣立ち、社会のため活躍してくれることを期待しています」と餞の言葉が認めてあり、感染予防のため出席できなかった新理事長の松尾英孝氏の「地域の課題を意識し仕事や社会で大いに活躍されることを期待しています」などとのメッセージも添えられていた。
 4月から苫小牧の高校で教員として働く石尾美岬さん(22)は「いつもと違う卒業式でしたが、皆んなと無事迎えられて良かった。大学で学んだことを教員生活に活かしたい」と話していた。
 道内の多くの大学が卒業式を中止した中、道内27ある私立大学では函館大学と稚内北星大学の2校が卒業式を行った。

「新理事長に松尾氏」

 稚内北星大学は19日午後に開いた理事会で新理事長に京都の学校法人育英館の松尾英孝氏(71)を選任した。
 4月から新体制で経営の立て直しを図ることになり、就任に当たって松尾氏は「大学運営で重視しているのは人材育成と地域貢献であり、育英館グループ一丸となって本学の経営に粉骨砕身、努力して参ります」などとコメントを発表した。
 理事会では金森勝氏、渡邉祐子氏、山田繁春氏、今村光壹氏の理事4人の辞任を承認。後任として、育英館の松尾英孝理事長と国際部部長の楊永春氏、関連する京都育英館の理事・評議員の松尾惠子氏、日下康史氏の4人を新理事に選任。新理事の任期は前任者の在任期間の5月28日までとなっている。
 4月から育英館が経営を担っていくことに斉藤学長は「新しい知恵で学校再建に取り組んでほしい。学生数を増やす方策や地域に存在感を示す大学にして頂くことを願っております」と本紙の取材に答えていた。

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