Pocket

 あの大津波の悪夢から9年経った。東北の太平洋を震源地とする東日本大震災は2011年3月11日午後2時40分過ぎに起き、行方不明者・震災関連死含め2万4千人もの犠牲者を出した。
 9年も過ぎると港内を、市街地を、田畑を飲み込むように襲った巨大津波が脳裡から消えつつあるのは被災地から遠く離れた日本人の心象なのだろうが、身内・親戚や知人・友人、同僚など亡くした人達にとって一生忘れられない痛恨の出来事であろう。
 東電の福島第一原発被災により故郷を離れた人々の大半は未だに帰還ならず、数日前、帰還困難地の一部が解除されたとの報道あったがほとんど生涯帰郷することはなかろう。
 自然災害とはいえ近隣住民に塗炭の苦しみを舐めさせた東電はじめ電力各社が原発再稼働に向け奔走する姿勢を見る時、個人的には憐れささえ感じる。
 道民の一人として北電には「いい加減にせよ」と声を大にして言いたい。
 今週の「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK)で山元町(宮城県)の現在の街並と住民の様子が放送されていた。震災2年後の13年、「稚内を愛する市民の会」の皆さんと訪れた山田町(岩手県)かと最初勘違いし見たものの、被災地の復興している様子に、あの日からもう9年も経ってしまったんだと嘆息した。
 津波の被害者は人間だけでなく犬などを助けようとした心優しい人達であった。東北に古くから伝わる〝てんでんこ〟は自らの命は自分が守らなければならないと教えている。
 我々が生きる上での要諦でもある。