地域発展に期待 商工会議所 新春経済懇談会を開く


 稚内商工会議所主催の新春経済懇談会は9日午後、サフィールホテル稚内で開かれ、各界代表者が新年の抱負や展望などについて語った。
 出席した来賓や会員ら210人余りを前に中田会頭は昨年を「当地域では一次産業の酪農は牧草の収穫が順調で乳量は増加傾向にあり、沖合漁業なども漁獲管理で水揚げが安定し関連する業界は堅調な一年だった」と振り返り、上期の観光客は一昨年並みに回復し外国人観光客の伸びやFDAチャーター便運航などで今シーズンの観光も期待しているとし「人口減少対策、地域活性化を目指し今年も行動し頼られる商工会議所を標榜し活動を推進していく」などと挨拶した。
 続いて武部衆議が年頭所感を述べ、一昨年の胆振東部地震や昨年の台風被害など全国各地で相次ぐ自然災害に触れ「平成28年には大雨で稚内も冠水被害があった。私のライフワークでもある国土強靭化のための予算をしっかり確保しインフラ対策を進めたい」とし、東京五輪が開催される今年に向け「世界各国から人が訪れ、稚内など宗谷に足を運んでもらう工夫を皆さんとともにやっていきたい」。工藤市長は胆振東部地震でのブラックアウトの経験から令和3年度の設立を目指す地域エネルギー会社について「我がマチには風力、太陽光、バイオマスなど自然エネルギーがあり、これらを活用して地方創生に取り組んでいきたい」、吉田道議は「北海道は一次産業が主力で持続可能な政策を続ける必要がある。人口減少や働き手不足、高齢化の問題解決のため産業の安定が大切でしっかり取り組んでいく」と夫々述べていた。
 来賓の舘石稚内開建部長は「北海道は戦略的な産業として食と観光の二本柱が挙げられインフラ整備などし環境を整えていきたい」朝倉宗谷総合振興局長は「宗谷の自然や食、文化など恵まれた魅力を国内外に発信し、この地域の更なる発展に繋げていきたい」と述べた。

「地域の協力不可欠」 蒲生社長講演 稚内空港に137億円投資
 経済懇談会の掉尾を飾り登壇した道内7空港一括民営化事業を受託した北海道エアポート㈱社長の蒲生猛氏が「北海道内7空港一括民託事業・稚内空港に関する提案概要について」と題し45分間に亘って特別講演した。
 蒲生社長は独特ともいえる語り口で昨年12月、3652億円借金したことを話し「この借金は我が社が儲かるためというより稚内など地域が豊かになるためにしたもので、稚内空港は地域住民の足として30年間は維持し安定的な経営できるよう最大限努力し、利用する人達に評価してもらうようしたい」と経営方針の根幹について述べた。
 具体的には稚内空港の旅客数を2024年に24万人(現行20万人)、49年には30万人まで伸ばし、貨物も49年には300㌧(現行200㌧)にしたいとした。
 将来的には稚内空港から季節運航ながら国際便を運航できるようにし、2機同時に入港できるよう滑走路・誘導路・エプロンなど更新し空港ビルも新築するため他の千歳など6空港と比べ破格な137億円もの投資をして行くことを強調した。
 その上で蒲生社長は「将来的に飛行機だけ見るのでなく鉄道やバス、車など二次交通、そしてオホーツク海沿岸のホテルなど観光施設など一体的に見るよう努めて行きたい」とも話していた。
 事業を網羅的に進めるべく「稚内空港連絡協議会」(仮称)を立ち上げることも再三触れていた。
 最後に「地域自体に魅力なければ事業(一括民営化)は長続きしない。皆さんと一緒にやって行きたい」と協力を求めていた。

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