時の話題 「身捨て浮かぶ瀬」

 正月休み中は新聞を読むのも程々にテレビ三昧で過ごした中、キムタクが主演した「教場」(フジTV)と映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(WOWOW)が垂涎物であった。「教場」後編と「ペンタゴン」がダブったものだから「教場」をビデオ録りし翌日視聴するほど秀逸であった。
 共にオスカー俳優のメリル・ストリープとトム・ハンクスが主演し監督もスピルバーグというスタッフだけで容易に一級映画との予測を持って見た映画は期待に違わず超一級であった。新聞社の報道のあり方を問うもので、自分の仕事も相俟って心を揺さぶられた。
 木村拓哉が主演した「教場」は警察官になる前に事前教習する警察学校での厳しい訓練の様子をテレビ化したもので、隻眼の教官役キムタクの演技は兎も角、警察学校のしごきに近い厳しい訓練と人間模様に息を飲みながら2日間で4時間超に及んだドラマに見入ってしまった。
 硬派な2作品を見て思ったのは「ペンタゴン」では米国政府の国民を欺く実態を暴くマスコミとしての矜持と勇気、「教場」では警察官が市民に寄り添うことの大切さと自らが負傷する可能性がある警察官としての使命の崇高さであった。
 普段、民放テレビは99%見ないが正月に加えキムタク主演という事で視聴した「教場」は見応えたっぷりだったものの、コマーシャルの多さには今更ながら閉口した。
 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあるという事を創り物とはいえ改めて知らされた作品を見ただけでも有意義な正月だったといえよう。

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