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 稚内駅前で40年以上営業を続け昨年11月に倒産した稚内サンホテルを群馬県の不動産業者「さくら不動産」が旭川地裁の競売で落札した。業者は建物を改修し来年秋にも新たなホテルの開業を計画している。
 競売物件として2669万円で落札したさくら不動産は、不動産業だけでなくホテル、温泉、飲食事業を展開する。ホテル業は本社がある群馬県で11施設ほか、千葉、青森、石垣島、奄美大島など全国で30施設余りを営業し、北海道は初進出となる。
 駅前の一等地のホテルが廃業し今年の観光シーズンは宿泊施設が足りず宿泊難民が出るほどになった。駅前に再びホテルが開業予定していることについて川野副市長は「今年の夏は宿泊場所確保に相当困っていた。宿泊施設が確保されたことは良かった」と話し、稚内観光協会の波間専務理事は「利尻、礼文観光を考えた時に駅前のホテルが無くなったことは影響が大きかった。観光客を呼び込む側としては便利になる」と話した。
 稚内商工会議所の達専務理事も「観光、ひいては地域経済にとっても有難い」と述べるなど一様に歓迎ムードにはあるが、市内のホテル関係者は「後継者不足などで市内の宿泊施設が減ってきている中で宿泊施設が確保されることは良いことだが、外からの事業者が稚内に進出することで外へお金が流れていく。複雑な気持ちだ」と話し、事情通の一人は「体力がないホテルの今後が心配だ」と諸手を挙げ歓迎する人ばかりでない市民がいることも確かだ。