Pocket

 コンブ漁が終わり入札に掛けられる中、稚内漁協として今年最終の入札会での1等検金額が初めて1駄(15㌔)当たり11万円台に乗った。僅か8駄ほどの上場しかなかったが、空前の落札額になったことの意味は奥深いものがある。
 上等の1、2等検は稚内だけでなく何処の漁協でも少なくなっており、応札する昆布問屋が高い値段を入れるのは読み筋ではあるが、この上等コンブの減少は一過性のことでなくこの先も続く可能性が極めて高いということであり、この点については木村直治稚内漁協専務理事から「どうなることやら」と嘆きというより恨み節が聞こえてきた。
 着実に進む地球温暖化による海水温の上昇によってコンブの品質が低下しており、裾物の3、4等、加工用が上場の大半を占めるようになっている。
 稚内漁協はコンブ漁に関し北門神社例大祭後の7月8日解禁は変えていないが、旗有りの一斉操業を年ごとに前倒し、今年は7月20日から自由操業とし、前浜、声問・はまなす、坂の下の漁家の判断に漁を委ね、水温が上昇し過ぎての裾枯れなど品質劣化に対処しているが、高齢化もあって苦労の割にコンブの質ならぬ実入りの少ない漁から離れて行く組合員が増えている。
 コンブに替わる収入源は今やナマコ漁が主流で桁引き船購入する初期投資にかかるが、手間要らずのナマコは浜値も高く傾注する漁師が多くなっているのが現実である。中間育成事業も進捗しており、沿岸漁の在りようは変化してきている。
 順応力が今試されている。