時の話題 「高校生就職戦線」

 来春、高校を卒業し就職を希望する生徒の採用試験が始まった。人手不足の状況下、将来、貴重な戦力となる新卒者の確保は企業存続に欠かせない要件であり、受験する高校生以上に企業側の方が真剣だ。
 10年ほど前は誰が今のような人手が足りない状況になると予想しただろうか。と言う小社も全く考えていなかった。
 募集しても応募してくるのは65歳以上の人で、人生経験を経ているが勝手が違う新聞社の仕事に戸惑い、居場所が無くなり短期間で辞めてしまう。退職後の継続雇用であれば未だしも高齢の方々は自尊心などあり若い人のようには行かない。
 それでも人生80年時代になり医療費など社会保障関連費はある程度お上が面倒見てくれるが、普段の付きあいや慶弔費などは自ら手当しなくてはならず、多額の貯蓄や財産を持っている人は別にし大半の高齢者は年金だけでは暮らせず働かなければならない。しかし加齢による衰えは隠せず、企業側の意に沿わないことが間々ある。
 若年層が減少している稚内など地方都市にあってシルバー層が貴重な戦力にならなければならないのだが、現実的に容易なことではない。
 定年を延ばすからといって解消されないのが人手不足であり、若い戦力の補充は欠かせない。
 稚内職安によると新規高卒者への求人は昨年に劣らず旺盛であり求職生徒89人(同所管内)の2・27倍にもなり、生徒側が選り好みしない限り数字上は希望者全員の就職は可能になる。ただマッチングするかは別問題だ。

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