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 雨降りの昨日、車を運転していると傘を差しとぼとぼと歩く高齢の女性が目に入った。この女性は何度か中央界隈で見掛けているので市立病院でも行こうとしていたのか。
 腰が曲がり晴れ間には両手にストックを持ち一歩々々歩く様子に「福祉というのはこのようなお年寄りをサポートするものでないのか」という素朴な疑問を持った。
 国民の福祉に対するニーズが多様化する中、生活の安定・充足を求める公的扶助やサービスは際限なく続けて行かなければならないもので、主体となる行政はじめ医療など関係機関や団体、民間の事業所は身を切るような状況に置かれているのではと同情申し上げる。
 心身にハンデがあっても収入が少なくても福祉の下、国民が押し並べて幸せを感ずるようにしようとするのだから大変な事である。受益者どころか心労を極める従事者が少なくなくリタイアする人が増えるのだろうか。
 結婚し子どもを設け成人させ、その子が新たな家庭をつくったり社会の一員になるまでの親御さんの苦労は並大抵のことではない。しかし親御さんも年を取り老齢になり病気がちとなれば家族だけで賄えるものでなく公的な福祉の厄介になるしかない。
 話を最初に戻すと背中の曲がった老女は想像するに一人住いなのだろう。戦争を経験しているだろうから自分の事は自分でやり抜くという信念の下、誰にも頼らず生きているのだろうが、行政の職員だって街中を一人歩く姿を見ているだろう。
 人を思う優しさあれば仕事の中味は随分違ってくる。