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 今夏はイカ群れの北上遅く、稚内港には未だ数隻しか入港していない。稚内漁協市場への上場は31日が僅か15箱。「商売にならない」というのも分る。
 昨年の今頃といえば30隻以上のイカ釣り漁船が集結し数千箱水揚げしていた。函館沖などが不漁で好漁の礼文沖に集まったものだがそれでも前年の豊漁に比べると物足りなさはあった。
 今年はそれと比べようがないほどイカ群の姿はなく漁協職員は手持ち無沙汰な様子だ。
 量もさることながら型も小ぶりなので発泡にも25匹どころか30匹35匹も入りそうで、漁業者だけでなく売る方も大変だ。小さい上に値段が高いとなれば旬のものは消費者に敬遠されるので昨年在庫の冷凍ものを売り急場を凌いでいるのか。
 夏~秋の代表的味覚であるイカが高くなるのは庶民として楽しみが一つ減ったような感覚になり、食通ばかりでなく寂しい思いをしているだろう。
 時期が来れば―との期待はあるが、地球温暖化によって魚の生態系が変化する中、高望みせず事実を受け止めなければなるまい。
 稚内にとって地方から来るイカ釣り漁船によって得る恩恵は大きい。漁協は市場手数料、製氷収入があり、燃油業者、そして乗組員の食料費などなどお金が多く落ちるので、今後の漁の回復を祈っている。
 刺し身にしても姿焼きでも塩辛でも何にしても癖がなく美味しいイカは秋の味覚サンマと共に日本人の食卓を飾ってきており、日本の食文化の代表と言っても過言でない。何事も気にせず思う存分頬張りたいね。