時の話題 「景況レポートから」

 稚内信金から稚内市など宗谷管内10市町村と天塩、遠別、雄武3町の今年1~3月期の景況実績と4~6月期の見通しがレポートとして公表された。
 取引のある138社(回答率100%)を対象に職員が対面し聴き取りしたもので、1~3月全体の売上額、収益とも昨年同期を下回ったが、売上額のDI(指数)11・1㌽悪化の他方、収益DIは0・2㌽下回るだけに止まり、売上減をコストカットなどによる経営努力でカバーしたことを窺う事ができる。
 厳冬期の経済は動きが少なく停滞するのが恒常的になっているのに収益のDI(業況判断指数)の落ち込みを最小限に抑えたことは人手不足から人件費が上昇基調にある状況など勘案すると特筆すべき数値といえよう。
 人口減などで売上が減少する中にあって収益がそれほど減少しなかったのは、企業個々の無駄を省き節約しようとする社長と社員の意思統一が出来た結果と高く評価したい。
 幾ら稼いでも湯水のように支出しては儲けることなど出来ず、そういう事では稚内地方の企業にコスト意識が定着した成果といえようか。
 稚内の経済は水産業と建設業、観光業が三位一体となり牽引し酪農業も続き堅調な経済を構築しているが、人口減少によって高齢化率が高まっており、それに加え医療の問題が慢性的ともいえる課題となっている。他のマチに比べ堅調な経済にも拘らず人口流出が止まらないのは高齢者福祉と、充実しているとは言えない医療に帰結する。
 これら課題の解決が急がれる。

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