時の話題 「あとりえ華閉館」

 人里をちょっと離れ美瑛の丘を彷彿させるような一角にあったせいか浮世離れした感のあった「あとりえ華」と「ぎゃらりい華」が来月21日で閉館することになった。
 道展の常連でパリで絵の修業をし画家としての名声を不動のものとした高橋英生さんが故郷である稚内で余生を送ることにし終の棲家にしたのが上勇知南部のアトリエだった。
 2003年から鳥の囀りを聴き大自然に身を委ねるように創作に没頭した英生さんを傍らで支えてきたのが妻の孝子さんだった。
 家の2階にカフェを設け英生・孝子夫妻と語り合う至福の時間を過ごした方々は多くおり筆者もその中の一人であった。
 昨年、英生さんが亡くなった後も気丈にアトリエとギャラリーを守り札幌に住む90歳を超える母親の介護と大変な日々を過ごしてきた孝子さんだが、冬を前に稚内を去る決意をしたのでしょう。
 先にお手紙をいただいているのに先週20日には御丁寧にも小社に挨拶に寄っていただき当方、閉館までには訪れることを約束した。
 英生さんは苦労したこともあるのか、何でも受け入れてくれる懐の広さがあり、孝子さんは淡々としているのだが英生さんを慕う様子は正に夫婦善哉であり、その片方に先立たれたのだから致し方ないが我々ファンにしてみれば淋しい限りで断腸の思いがする。
 人の世は一期一会の縁とはいいながら高橋さん夫妻と濃密な日々を過ごされた人たちにとって別れは非情なものだろう。
 英生さんの冥福と孝子さんの健やかな人生を願っております。

コメントを残す