時の話題 「地価下落」

 都道府県の今年7月1日現在の地価調査結果が国土交通省から公表され、総体的にはバブル後遺症から脱却し27年ぶりにプラスに転じた。
 道内でも外国人に人気があるニセコ地区がある倶知安町が住宅地として全国一の28・6%もの上昇率を記録したほか、札幌など中心に上昇したものの、変わらず下落続きなのが地方の稚内など町であり、どこまで落ち込むのかと、杞憂さえ生まれる。
 30年前の土地などバブル景気に沸くこともなく自分たちの営みをしてきた稚内にとって沖合底曳き網漁の衰退、国鉄解体でのJR誕生による広域異動など要因とした人口流出が屋体骨を蝕み、経済力減退と相俟って地方からの大手資本企業の進出は地場経済に大打撃を与えた。
 〝稚内物価〟という法外な物価高から値段が安い大手資本経営店に客層が流れるのは必然なこととはいえ、顧客が減り高齢化した地場経営者にとって荒波に耐え得る体力はなく表舞台から消えざるを得なかった。
 筆者がよく言う「自らの首を絞めた」結果である。
 マチとしての経済力が衰え人口も減少一方なのだから土地需要に上がり目などあるわけなく、稚内で続く土地下落は当然の帰結といえよう。
 市長や経済界が躍起になっても稚内経済の落ち込みが止まらないのは構造的なものもあるのだろう。頼みの観光も今般の胆振東部地震により陰りが見え、公共事業も一時の勢いがない。八方塞りの状況だが今こそ英知を結集する時で、万才している暇はない。

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