時の話題 「利尻の熊でFAX」

 先日、利尻島で106年ぶりに生息を確認したというヒグマの問題で兵庫県西宮市にある一般財団法人の「日本熊森協会」から本紙に、今月7日に高橋知事に提出した要望書をFAXで送るので報道方よろしくお願いしますとの電話があった。
 その要望書には「利尻島のヒグマをあえて探さないこと」と標題を記し、この熊森協会顧問で「北海道野生動物研究所」門崎允昭所長(農学博士)の見解が掲載されてあった。
 〈クマは何㌔も泳ぐ〉北海道開拓までは沢山のクマが北海道におり20㌔しか離れていない利尻島へ泳いで渡るのは珍しくなかったであろう。今回は海の向こうに大きな山(利尻山)があり森が見えたので泳いで上陸したのだろう。
 〈利尻島のヒグマは静かに見守るべき〉足跡のサイズからオスの成獣だと考える。このクマは人間が怖いという事を学習している。その証拠に島に渡った後も人間に目撃されていない。天塩の海岸から海に渡ったのも人気のない夜であっただろう。まだ島内にいると思うが、人を襲うことはなかろう。捕獲したり、ドローンで追い回すなどは厳に慎み生物倫理に基づき静かに見守るべきだ。人目を避け島に棲みつくかも知れないし、人と出会わない時間帯に海を泳いで天塩の方へ戻るだろう。
 そして最後に当協会もクマを探し出そうとせず、そっと見守るべきだと思いますと追記してあった。
 ヒグマの第一人者の見解に、クマは凶暴なものという先入観が取り払われるも、人と野生動物の共生について考えさせられた。

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