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 長く連れ添っている夫婦というのは言ってみれば空気のようなものであり、夫の方からは妻に対し特段有難みを持つこともないが、夫一筋の妻からすれば空気というよりもっと中味を凝縮した酸素に近い存在なのか。
 年の瀬に我が家を訪れた奥さんを見て感じたものだった。
 若い内は「あばたもえくぼ」とばかりに互いに惹かれ合うも子供ができ妻は子育てに感け、夫は社会で七人の敵と戦ううちに擦れ違うようになり、夫婦二人の空気の密度の感じに違いが生まれる。
 それでも結婚生活が30年、40年、50年と経つうちに空気は攪拌され一様になる。そして夫の方は妻に感謝するも妻に比べ相手への愛情は希薄のようだ。それだけ長く連れ添った妻側の愛情が強いということだが、前記の夫婦の奥さんの愛情の一途さには当方の胸に響くものがあった。
 どちらかというと破天荒な生き方をしてきた筆者だが妻と連れ添って30年余も経つと、妻はよき理解者であり毎日弁当を作ってくれることには感謝するしかなく、そのうち何方かが病気など故障するのだから互いに寄り添わなければならないことを暗黙の了解にしている。
 子供たちが進学で就職で稚内を離れてしまい古い家に残るのは老夫婦二人。二人とも健在ならいいが、何方かがいなくなれば淋しさは募る。
 年の始めにこのような事を書いたのは男ってのは実に弱いもので、妻あっての自分であるということを改めて夫側に自認してもらえればということである。夫婦円満であるよう願っております。