時の話題 「人の本気度」

 9日の道新30面の新北のうた暦に「ほっぺたに雪の飛礫がささる日は泣きじゃくることゆるされる」という短歌が載っていた。少女期を鷹栖町で過ごした中家菜津子さんの作品である。後書に「悲しみに包まれながら吹雪の道を歩いた経験のあるすべての人たちに、響いてくるものがあるはずだ」とあったが、蓋しその通りである。
 この面にはサッチーで知られた野村克也氏の妻沙知代さんと共に宗谷管内郡部で長く道議を務めた湯佐利夫さんの訃報も載り、東京の富岡八幡宮の宮司殺害事件の記事もあり師走も半ば、そして年の瀬が近づくにつれ物騒な事件が起きるので心したい。
 更に8面には天皇陛下の(生前)退位をめぐって作家落合恵子さんの所見が載っており、陛下だけでなく生きし人間の誰にでも訪れる〝老い〟への考え方には彼女の文の巧みさもあり頷けるものがあった。
 筆者は毎朝、全国紙と道新を読むのを日課としているが、テレビでNHKを見ていることもあり事件などニュースにはさほど関心なく、読者からの投稿や落合さんのような著名人や学者らの見解を読んでいる。
 皆さん、さすがに識見に富み筆者は足許にも及ばないが、著述の根っこに真剣さがあるのか、ただ仕事として頼まれたのでお座なりなのかは何となく分かる。お座なりなものは心に響かない。
 そういうことでは小欄冒頭の「北のうた暦」の短歌は雪国の荒々しさを体験した人でなければ書けない作品で胸打つものがあった。
 何でもだが、人の本気度が試されている。

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