稚内信金は今年3月決算の内容を明らかにしたディスクロージャー(公開)誌に金庫としての5つの信条を基に20項目のベンチマーク(評価基準)について増田理事長の評価を掲載している。数字だけでない情報公開に讃辞を送りたい。
 信条は前理事長の故井須孝誠氏が制定したもので「稚内信用金庫は地元と共に繁栄します。」を大きな柱に据え、顧客には親切に、会員には良質な資金供給を、従業員には幸福を―などモットーにしている。
 20項目に関する増田さんの評価を読む限り「工夫の余地あり」とする文言が目立ち、これからの稚内信金の経営にかなり強い危機感を抱いていることを窺わせている。
 今期の決算を見ても日銀のマイナス金利導入の影響はあろうが経常利益は前期から42%も減っている。主たる営業地域の中でも稚内市内での業績が経済規模縮小によって低迷しているのだろう。「これまでのようには行かない」という増田さんの危機感の現れとみて差し支えなかろう。
 小紙正月号のインタビューで数時間、増田理事長と話す中、強く感じるのは正直で飾らない人柄の一方、稚内の行方、とりわけ経済展望に対し甘さがなく今回のベンチマークはその現れに違いない。
 筆者より1年先輩なので今年64歳になるはずである。北海道信用金庫協会長、旭川方面公安委員会委員などと多忙を極める中、次の世代にバトンタッチする上での指標を示し役職員を鼓舞する狙いがあるのだろうと当方勝手に解釈している。「人が未来を作る」。正にその通りだ。