風雪、風雨が頭抜けて強い地域の樹木が真っ直ぐでなく彼方此方に曲がっているのを読者の皆さんは承知でしょうか。知床半島にはそういう光景がある。
 10年ほど前、旅で知床横断道路を通った時風によって曲がったのか、その風に抵抗、いや順応しようとしたのか、樹木の伸びる方向が夫々まちまちだったのを覚えている。
 木の芸術作品オブジェのようであり、自然が創造する森羅万象の造形の中に人間というちっぽけな動物が存在しているのを改めて思い知らされた。
 横断道ではクマを見ることはなかったがシカは見ることができ、稚内で今のようにシカが群れなしていなかった頃であり、自然の驚異は圧巻であった。
 シカといえば過日、用があり富士見に出掛け帰路で西浜(坂の下)方面を走行したところ、5、6頭の群れに2度遭遇した。車が近付き子供はそそくさと逃げようとするが、親は慣れてしまったのか逃げようとせず草を食んでいた。
 若い時に見たロバート・デ・ニーロ主演の映画「デイアハンター」でのシカに対する好印象もあって、どうもシカを人間に罪なす鳥獣とは区別し考えてしまう嫌いがあるものの、現実には森林公園の樹木は食い荒らされ花壇や自家菜園などにも被害が出ている。
 シカは塩分を摂るのに海水を飲みに山から人里にやってくる。その途中にある草花や球根を食べてしまうのだが、西浜での親子の光景を見るにつけ殺生も程々にと思うものの、市民の生活が脅かされるに至っては仕方がない。シカを役立てる方法ないものかね。