石黒 義雄氏

杉本 宏氏

 春の叙勲が発表され稚内から農業振興功労で石黒義雄さん(71)=上声問=が旭日単光章、更生保護功労で杉本宏さん(75)=末広5=が瑞宝双光章に輝いた。
 100年近く続く石黒牧場の三代目として現役の石黒さんは、沼川農協理事、代表組合長を歴任し、平成21年に豊富農協と合併して誕生した北宗谷農協では初代組合長を2年間務め、生乳の品質向上や生産量の増加に尽力するとともに、生産コストを抑えた収益性の高い酪農経営を確立し地域農業の振興に大きく貢献した。
 沼川、北宗谷両農協で35年余りに亘って役員を務め「20年前は乳価が安く生産しても収入が上がらず、いかに経営を安定させるか腐心しました」と振り返り、365日休みなく働く農家の仕事を「朝早く夜まで働く大変なことばかりですが、努力すれば所得も上がる」と酪農の魅力について語った。
 今回の叙勲には「酪農仲間や農協関係者らの支えがあり、地域を代表して名誉な賞を頂いたと思っています。皆さんには感謝しかない」と妻の栄子さんと喜びを分かち合い、後継者不足など酪農の今後については「稚内の基幹産業であり、絶やすことなく、辛いと思われる酪農の仕事を楽しいと思ってもらえるよう後輩や新規就農した人たちに頑張ってもらいたい」と期待を込めた。
 杉本さんは平成4年先輩から誘われ稚内更生保護司会に入会し、平成21年に副会長、同23年から会長を務め、犯罪や非行をした人たちと定期的に面接を重ね更生へ導いている。
 保護司を始めた時は右も左も分からない状態だった―と当時を振り返る杉本さんは、目立たないことでもコツコツと続けることが大切との信念で、保護観察下にある人と家族のように接するよう心掛けてきたとし「保護期間を終了し就職した際に、自分の名刺を持って挨拶に来たときは本当に嬉しかった」と自分のことのように喜んでいた。
 各地で更生保護司の人数が定員に達しない中、稚内保護司会は定員いっぱいの56人おり「地域犯罪未然防止、更生という社会にとって重要な事柄に向き合う人が多い。この体制を崩すことなく保護司会を維持していきたい」と話していた。
 受章に当たっては「思いもよらない受章の知らせは驚きとともに戸惑っており実感がわきません。先輩や同僚のお陰と心から感謝しこの栄誉に恥じぬよう精進を重ねてまいりたい」と述べていた。