一時、「陸の孤島」と揶揄された稚内も様々な業種で地方からの進出が相次ぎ、〝黒船〟が襲来したことで地元資本は敢えなく退場してしまうという光景を我々稚内市民はこの30数年、何度目にしてきたことか。「安いから」と飛びついた結果として地元資本の所はほんの一握りになってしまった。〝黒船〟資本に安い給料で使われ稚内の持つ経済力は地に堕ちてしまった。
 進出した所は旨味がないと計算したら、いずれ稚内を撤退するのだろう。日本国中で起きている状況に関し国は、道は何か対策を打ち出しているのか。
 稚内市だって地元企業の衰退は税収にも大きな影響がある。何処とは言わぬも10年ほど前のショッピングモール進出の際、河川法による議論があり、近くに病院があることから交通面での安全を求める大店立地法の趣旨に反し進出に無理があるのにショッピングモールは形成され、地元への貢献が大きかった関係店をその後、青息吐息の経営状況に追い込んでしまった。
 地元資本の店が繁盛しての稚内市であるのに雇用が生まれる、固定資産税が増えるというのは詭弁であり、稚内市は地方からの進出を強く制限する条例を発布すべきだったのであるまいか。現実、他市町ではその種の条例で大型店進出を阻止している所もある。
 安い物を売るには人件費を節約しなくてはならず、働く人は収入が少ないので安い物を買う。大資本の事業に地域が上手く利用されているという資本主義のありようには憤りさえ覚える。稚内はそのうち地方からの資本に乗っ取られてしまう。