筆者は昭和29年生まれで小中学校まではほとんどの子が金銭的に恵まれず詰襟の学生服に継ぎをしている子、袖先が妙な光沢を放っているなどというのは普通だった。高校に入ると(昭和45年頃)高度経済成長の波に乗るというより200海里前の水産漁業華やかりし稚内は好景気に沸いており、そのような状況は上の学生の頃まで続いた。
 現代のような傍目に気付かない貧しさでなく何処の家も豊かでなかったので「頑張れば豊かになれる」という希望を持つことが出来、それこそ日本の高度経済をもたらしたのであろう。しかし12日夜、NHKで視聴した貧しさの実態は立身の夢さえ打ち砕いてしまう貧しさであり、どこかの全国紙社説にあったが「首脳がゴルフ三昧でいいのか」との思いを強くした。
 母子家庭の状況は、お母さんがパートを掛持ちしなければならず夜半も家を空けるので子供たちだけで不安な夜を過ごす。子供が高校生にもなればアルバイトを母親同様、掛持ちし家族で得る収入は20万円そこそこで、専門学校や大学に進学するには有利子の奨学資金を借りなくてはならず、結局は進学を諦めてしまうケースもあるだろう。
 NHKの貧困問題特集は何度も放送されているが、同じ日本人として身につまされる。
 非正規の職業に就く割合が全体の4割にもなる日本の労働環境はトランプを生み出した米国よりは増しかも知れぬが、早晩、二の舞を演ずる事にならないのか。
 安倍さんに限らず上に立つ者は下層の痛みを知らねばなるまい。