稚内出身で東京稚内会の会長を務める小坂輝雄さん(69)は、今年も5~6月初旬にかけノシャップ~富士見の日本海側沿岸に稚ナマコを放流するべく育成に精を出している。
 資源の減少で厳しい環境にある稚内の沿岸漁業を守り、若い漁師たちが希望を持って働けるような故郷を目指せるよう恩返しが出来ればと、平成21年から市内に養殖の実験施設を建て、24年から稚内漁協から親ナマコの提供を受け試行錯誤を繰り返す中、ふ化に成功し27、28年の2年間で約9万匹を放流した。
 今年の放流に向け昨年7月漁獲されたナマコから卵子と精子を取りふ化させ、現在、稚ナマコ約7万2000匹は体長2㌢位にまで育っている。
 放流活動と連動して養殖事業の実験にも力を入れており、昨年放流した3万5000匹の中から50匹の稚ナマコを水槽に入れ育てており、水温やエサなど苦労し1年半経過した稚ナマコは体長5~6㌢まで成長している。
 小坂さんによると、稚内の海は11~3月まで海水温が低いためナマコの発育も遅く成ナマコになるまで5~7年かかるとした上で「予想以上に成長しているので驚いている。放流したナマコがどのように成長しているのか分かってきている。限られた水槽の中の事とはいえ養殖事業が成功すれば収穫量が上がり供給が安定すれば雇用にも繋がるので期待が持てるかもしれない」などとし、今年の稚ナマコについても「均等に成長しているので今年の放流が楽しみ」と語っていた。
 今年は5~6月にかけて6万~6万5000匹の放流を予定している。