稚内商工会議所主催の新春経済懇談会の掉尾を飾る「北極海航路と稚内港の可能性」と題する一般社団法人寒地港湾技術研究センターの川合紀章氏の講演を聴き痛切に感じたことは、工藤市長が何かと指摘する稚内のポテンシャル(可能性)の高さで、今ある地理的な優位性を更に高める港湾整備の必要性であった。
 川合理事長も述べていたが、その港湾整備として天北埠頭の一角が大型クルーズ船に対応できる国費が投入されることは大きな前進であり、港湾インフラとしては今は3000㌧級クラスまでの船舶しか受け入れられない乾ドック建設が喫緊性を増している。
 北極海航路は地球温暖化によって北極海の海氷面積が減少したことで航行可能になり航路全体の総貨物量も増加傾向にあるのだが、この数年来の燃油安とスエズ運河拡張によって現在の利用は停滞している。しかし北極海には原油や天然ガスの資源が豊富にあり、この航路の将来性は高まる一方だ。
 その航路利用の船舶の寄港地として稚内港はアジア最北(最後)の港湾であり、商工会議所が経済懇談会の特別テーマとしたよう稚内市全体として取り組まなければならないのは論を俟たない。
 川合理事長との対談で工藤市長は風力発電施設の充実ぶりを強調したが、その風力発電を海洋風車まで視野に入れた取り組みをすれば港湾インフラは更に充実するだろう。
 「北極海航路利用の船舶が稚内を素通りすることなくネジを巻き直ししなくては」と市長が対談の最後に語った言葉が耳に残った。