年の暮れになると懐かしい人物の訃報に目が留まる。フラミンゴ打法の王貞治選手を付きっ切りで指導した読売巨人軍コーチでヤクルト監督だった荒川博さん、NHKの「ジェスチャー」、民放TVのワイドショーで名司会を務めた小川宏さん。2人とも85歳を超え天寿を全うできた方であり、幸運な人生だったといえよう。
 しかし福岡の病院で暴走タクシーによって命を落とした夫婦は40代、見舞いに行った入院男性も50代前半。40代夫婦の小学2年生の愛娘が一人残されてしまった。タクシーの運転手はブレーキが効かなかったなどと言っているようだが、何があったのか。胸が痛む。
 他人様の事といえど不幸にはめっきり心が弱くなっており、直ぐ涙ぐんでしまう。テレビのドラマを見ていても、歌番組を見ていても出た涙が止まらないことがある。
 年を取り涙腺が緩んできているということなのだろうが、他人の不幸には責任を取らなくてもよく、ただ事実だけで悲しい心持になるからだろうか。歌は昔を思い出しついほろりとしてしまう。
 人には幸せも不幸もほぼ均等に現出して来ると思い力いっぱい生きている人は多い。しかし現実は甘いものでなく、例えばマージャンのようにその日は全く芽が出ないということもある。もがけばもがくほどド壺にはまってしまい、その蟻地獄から抜け出せない己が姿に消沈することもあるだろう。
 しかし真面目に生きてきた人を神は粗末に扱わず、この世を去る時にでも幸福感を与えるやも知れない。因果応報である。