全道的に不漁と聞いていたので高嶺の花になる懸念も―と予想していた通り定置網漁のサケ浜値が上昇しており、宗谷海区漁業調整委員会(宗谷総合振興局水産課内に事務局)が集計した10月中旬での1匹当たりの価格が2千円台の2200円にもハネ上がった。
 昨年の今時期に比べ2割強の400円以上も高く、浜値は当然、卸値と販売価格に反映してくるので、この10数年は物価の優等生だったサケも半世紀前のように高級魚になろうとしている。
 全道的なサケ不漁について専門家は「稚魚が放流された3、4年前の海水温が低く(稚魚の)エサとなるプランクトンも少なく死滅したのでは」と話している。今年同様、数年前も台風など多く襲来し海が攪拌され冷水域が広がり稚魚が死滅したことでサケ来遊が減っているためとされるが、漁解禁時の9月初旬の台風によって定置網敷設が延び延びになり、更には地球温暖化による海水温の高さも影響したものと見られる。
 浜値が高いので数量減っても水揚げ金額は管内全体で39億円に迫っているものの、管内の秋サケ定置網史上、最高の昨年の50億円と比べると2割以上落ちている。
 ふ化放流事業が定着したサケ定置網漁は、ホタテと共に管内漁業の大宗をなすものだが高海水温やシケなど自然の脅威にさらされ被害を受けており、自然には抵抗できないとはいえ、これだけ養殖やふ化事業が高度化しているのだから対策を打つのも可能であろう。
 生産と消費など管内経済にとっても痛手といえるサケ不漁だ。