低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、稚内地方は5日深夜から6日正午までに130㍉を超える記録的な雨が降り、河川が氾濫し道路などが冠水。床下浸水などの被害が発生し緑、大黒、富士見地区など広範囲に亘って避難勧告が出された。
 稚内地方気象台によると、6日午前6時前に大雨警報、2時間半後に土砂災害警戒情報が発表された稚内地方は、降り始めの5日午後9時~6日正午までの雨量が、9月として観測史上最も多い132・5㍉を記録し、9月1カ月分(123・5㍉)を超える雨量になった。
 宗谷岬109㍉、声問101㍉、利尻島では50年に一度の記録的な大雨となり、本泊146・5㍉、沓形143㍉を観測した。
 午前7時半過ぎから1時間で30㍉を超える雨が降り、港~末広地区のチララウスナイ川、緑~大黒地区を流れるクサンル川は6日朝から増水し付近の道路が冠水した。チララウスナイ川沿いの住人は「2年前の大雨もすごかったが、今回は短時間で降る量がすごい」と家の前に置いた植木鉢を片付けていた。
 記録的な大雨により排水が追いつかず市内の至る所で道路が冠水し車は水しぶきを上げて走行していた。
 大雨のピークは夕方までだが、大気の状態が不安定となっている影響で断続的に雨が降り、土砂災害や低い土地の浸水などに厳重な警戒を呼びかけている。

氾濫したクサンル川

氾濫したクサンル川


水しぶきを上げて走行する車

水しぶきを上げて走行する車


総合体育館に避難した人たち

総合体育館に避難した人たち


急いで植木鉢を片付ける住人

急いで植木鉢を片付ける住人

「総合体育館などに住民避難」
 大雨により6日午前8時半前、市内各学校、総合体育館、緑体育館に避難所が開設され、市民数十人が避難していた。
 6日午前10時半過ぎ総合体育館には西浜~富士見の地域住民、養護老人ホーム富士見園の入所者、合宿で稚内を訪れていた北海学園大学のバレーボール部員が自主避難した。
 富士見園に入所する70代女性は「避難したのは生まれて初めて。帰るのに時間がかかってもいいから何事もないことを願います」と不安を口にしていた。
 正午現在、総合体育館85人、緑体育館20人港小1人、南中22人が避難している。

「避難住民は百十数人に」
 大雨によるクサンル川の氾濫で市は6日午前9時15分に緑1、2大黒1~3の地区に避難勧告を発令したことを受けて、緑体育館、港小、南中に避難場所が開設された。正午までに総合体育館も含め4カ所合わせて128人の市民が避難所に避難している。
 緑体育館では、正午までにクサンル川の水位が上昇したことを受けて22人の近隣住人が自主避難し、緑2のクサンル川近くに住む60代、30代、2歳児の家族によると「クサンル川の水位が時間が経過するとともに上昇してきたので危険を感じ、防災ラジオで避難勧告の情報を聞いて直ぐ避難してきました」と話していた。

「市災害対策本部」
 市災害対策本部によると、5日夜から続く大雨で6日早朝から市内各地で河川の氾濫や道路の冠水被害が相次いでおり、市内全域に避難準備情報発令し自主避難を呼びかけている。

「振興局、非常配備態勢に」
 この大雨で宗谷総合振興局は6日午前6時前、非常配備態勢に入り対応に当っている。
 管内では午前11時半前までに、稚内市内恵比須2の民家裏で土砂により排水溝が塞がり水があふれていると連絡があり、林務課職員が土砂を取り除きに臨場した。
 このほか、利尻富士町では午前8時前の避難情報を受け3カ所に避難所を開設した。