岡井さん

 乗員・乗客269人全員が犠牲になった大韓航空機撃墜事件から33年経った1日夜、北防波堤ドームで子育て平和都市宣言30周年を記念した稚内市子育て平和祈念の灯が執り行われ、犠牲者の御霊を慰霊した。
 遺族や実行委員、市民150人余りが参加した中、田中俊美実行委員長が「悲しい事件を繰り返さず平和な世の中にするため家族、周りの人たちに命の尊さを呼びかけるように灯篭に火を灯しましょう」と挨拶。遺族会を代表し当時20歳の兄の広明さんを亡くした川名正洋さん(50)=静岡県三島市=が「事件の日は兄の誕生日でした。灯火が世界平和の象徴として、世界各国に届くよう願っています」と述べたあと、参加者全員でドーム内に設置された200基と市役所前庭の50基の灯篭に火を灯し、悲惨な事件が二度と起きないよう恒久平和を誓った。
 事件で長男夫婦を亡くし、式典に2年ぶりに参加した陶芸家の岡井仁子さん(80)=宮崎県国富町=は「事件で悲しさや悔しさの気持ちはありますが、世界の平和について皆で考えなくてはいけない」と話し、灯篭の火をじっと見つめていた。

子育て平和の日記念式開く

子育て

 その前の1日午後、大岬小屋体で稚内市子育て推進協議会など主催の第29回稚内子育て平和の日記念式典が開かれ、参列者は犠牲者の御霊に敬けんな祈りを捧げた。
 遺族や児童生徒ら235人の参列者を前に工藤市長が「近年、テロや人種、民族間の紛争が深刻化している。不条理な出来事に対してこの地からNOを訴えたい」、遺族会を代表して長男夫婦を亡くした宮崎県在住の岡井仁子さんは「平和に繋げていくためにも皆さんの小さな一歩が一番大切。若い皆さんが世界中の人と仲良く平和な日を送るためにも何をすればいいか考えてほしい」などと挨拶した。
 引き続き、稚中1年西川優凪さんら児童生徒7人が平和への決意を表明したあと、宗谷岬公園に移動し祈りの塔の鐘を鐘打した。