週の始まりの昨日は忙しい一日だった。お世話になっている人の母堂のお別れ式が礼文であり他紙の広告を見落としていたことからあたふたし、帰社すると筆者の大先輩である戸田肇さんが亡くなったとの連絡があり、息子さんに電話すると29日午前8時5分に息を引き取ったということであった。
 30数年前、記者として入社した筆者を上司として陰に陽に支えて戴き取材ばかりかゴルフを始める時にも一緒にやるようになり早朝ゴルフは懐かしい思い出の一コマである。
 お父さんを早く亡くし中学卒業し本社に入り定時制に通いながら本紙創設者の故前田彰翁の薫陶を受け、本紙にとって欠かせない人材の一人となった。
 強烈な左党でウイスキーが好きだった。余り乱れることなく他人と接し武勇伝など聞いたことがないほど、温厚とは言わずも相手の心持を察することができる人であった。
 前田翁はじめ筆者が教えを戴いた人たち全員亡くなってしまったのは年月の流れとはいえ淋しいものがあり、順番でいけば自分の番という思いもある。
 戸田さんには入院する前の春先に郵便局の前で会い、その時の言動は辞めても記者魂あふれたものがあり、壮健なので暫くは大丈夫と思っていたので断腸の思いをしている。
 先輩が次々と亡くなり筆者の不甲斐なさを叱咤してくれる人が少なくなった。世評を書くのだから一般読者の指摘も有難いものだが、同じ釜の飯を食った人の忠言というのは掛替えのないものがあり寂しさ募る秋となった。
 戸田さん、おいしい酒飲んで下さいね。