天皇陛下が8日、自らの率直なお気持ちをビデオで国民に開陳された。その内容は陛下が以前からお考えになり侍従らに申し添えている生前退位について言及されたもので、皇室典範は生前退位を厳しく戒めているが、安倍総理らは即刻、陛下の意に添うよう事を進めて戴きたいものだ。
 現天皇は昭和64年1月、昭和天皇崩御により即位した象徴天皇としては最初の天皇であり、阪神・淡路、東日本、熊本大地震での被災地御訪問では被災した国民をどれほど元気付けたことか。被災者が避難した学校の体育館を訪れた時には床にひざをつけ被災者と同じ目線で元気付けられるなどしたお姿が印象に残る。
 象徴天皇というお立場を弁え、決して尊大でなく国民の心に自らを寄せる姿には国民誰しも尊崇の念を持つもので、立派な天皇であることに異論をはさむ人は少ないだろう。
 その天皇が齢82の御高齢となり全身全霊で御公務をできなくなることを案じ、次の世代にお託しになりたいという。そのお気持ちを汲んでやるのが我々国民の現天皇への御恩返しである。
 陛下は御自分が崩御する前後の国民の自粛ムードにも昭和天皇崩御の際から警鐘を鳴らされ、大喪の儀など没せられ2年間は続く喪葬にも憂慮している。
 天皇家の前例を御踏襲せず平民から皇后を迎え、生まれた男子も自らが育て、国内外の国事行為に加え、太平洋戦争の激戦地だったサイパン、ペリリュー島など南洋の島々を御訪問し慰霊された天皇陛下。政府は陛下の御意向に応え生前退位実現に向け急ぐべきだ。