市の3セク社団法人宗谷畜産開発公社から事業を継承した農地所有適格法人㈱宗谷岬牧場の創立10周年祝賀会が先週末あり、社長を務める阿部忠男氏の尊顔を拝するのを楽しみに参会すると式場入口で来賓客を迎えていた阿部社長は筆者が近付くと、あの柔やかな表情で迎えて戴いた。
 阿部社長はホクレン稚内支所長時代(平成17~19年)に取材でお世話になった方で、宗谷岬牧場の社長さんになられたのは風の便りで聞いており、今回ご招待戴き出席したのだが、10年という御無沙汰が嘘のよう旧交を暖めた。
 ホクレンの後ろ盾もあり「阿部さんなら牧場経営は成功する」との予想通り会社はこの10年間で肉牛、酪農ともに規模を拡大し〝宗谷黒牛〟の名を高め販売も順調のようだ。
 市の3セク時代から懸案だった公害防止協定も宗谷漁協、稚内市との間で締結し、環境保全はもとより牛の糞尿の肥料化にも成功し安全安心を基にした宗谷黒牛のブランド力の向上にも努めている。
 移譲当時、助役を務めていたという工藤市長が祝賀会の挨拶で「感慨深いものがあります」と述べたことが当時の全てを物語っているのだろう。
 汐風が吹くミネラルたっぷりの宗谷丘陵の一角1000㌶で育成されている牛は和牛2000頭、搾乳牛500頭。声問ほか天塩町にも2つの牧場を所有し、農業生産法人「ジェイイーティファーム」「栃木ファーム」(共に栃木県芳賀郡)とスクラム組んだ経営体制は盤石なものがあり、以前稚内市が標榜した「日本の食糧供給基地」にも近付いている。