2週間ほど前だったか夜中に目を覚ましてしまいテレビを点けると「凶悪」という実話に基づく映画をやっており見入った。先祖から相続した土地を所有する高齢者が人を殺すことを厭わないピエール瀧やリリー・フランキー演ずる凶悪な人間に殺されてしまい土地を乗っ取られてしまうという筋書きなのだが、ピエールとリリーの演技の秀逸さもあり堪能させてもらった。
 被害に遭った高齢者の一人が、妻と息子夫婦から経営する電器店の借金払いのため無理矢理アルコールを飲まされながらも「俺はまだ生きたいんだ。死にたくない」と言うシーンには憐れを通り越し世の無情さえ感じた。
 土地を持ち商売を営んできた人が年を取るにつれ事業が傾き借金を抱えるケースは日本国中、枚挙に暇がなかろう。しかし家族を持ち子供を育て家を守ってきたことは紛れもない事実であり、ハイエナみたいな輩と組んであろうことか殺されるというのは冗談のようだが現実に起こっていることであり身につまされた。
 土地を、お金を持っていたとしても幸せにならず、逆に不幸になっているという日本の状況をあぶり出し「まてよ」と今の生き方に疑念をもたらした映画「凶悪」は残酷なシーン数々あるも読者の皆さんにお薦めする映画の一つではある。
 神がこの映画を観せようと筆者を深夜に起こしたという啓示があり書かせてもらいましたが、映画や本などというのは好き嫌いも重要なファクターであり押し付けがましいことは言わない。しかし観ても損はない。できればこっそり一人で。