3日夜9時からのNHKスペシャルは衝撃的だった。介護で妻を夫を父母を危めた人に直接取材し、日本国内で今、2週間に1度起きている介護殺人を炙り出したものだった。
 40年間連れ添った妻を、妻に頼まれたからといって殺してしまった夫、兄に「助けてくれ」と懇願され母親の介護をすることになり殺してしまい服役中の50代の男性にカメラを向け取材するNHK。
 介護の実態ばかりでなく報道という仕事の真剣さを見せつけられたスペシャルは、同じく報道の端くれとしてのうのうとしている自身の姿勢を叱咤するものでもあった。
 介護の大変さ、そして殺人にまで及んでしまう実態は正直知らない。介護のために会社を辞めるなどというのは「有り得ないこと」との思いはあるが、夫婦が連れ合いを、子が親を―というのは尋常なことでなく、余程のことがない限りできるものでない。番組での介護する側の4分の1の人が楽になりたいとのデータにも驚きを禁じ得なかった。
 特養老人ホーム、デイサービスなど、認知症などある高齢者の介護施設はこの数年、充実してきているものの入居待ちが多いなど施設が追い付いていない状況にある。そのため家族に負担がかかり挙げ句は危めてしまうという最悪の事態を引き起こしている。
 この問題は個々の問題でなく国の政策の誤りから引き起こされていることであり、政治の果たす役割が大きい。介護の実態を知り介護殺人などなきよう口先だけでなく弱者に寄り添った政治をしていかなければ事犯は増えるだけだろう。