音文協などによる札響交響楽団の定期演奏会は子供たちを主体に800人を超える市民が訪れ、国内有数の演奏を堪能した。齢80歳のマックス・ポンマーさんの重厚の中にも若々しささえ感じる指揮も良く、生のクラシックに至福の時を過ごしたことでしょう。
 第2部の4楽章からなるドボルザークの「新世界より」が31回目の定期演奏会の耳目なのだが小品の「皇帝円舞曲」「真夏の夜の夢」「天国と地獄」も素晴らしく、個人的にも1年1回の札響演奏を楽しませてもらった。
 文化センターの杮落としでベートーベンの交響曲9番「合唱付き」を契機に始まった札響の演奏会は故井須孝誠氏、阿部誠氏(赤平市現住)ら音楽をこよなく愛する人たちによって歴史を重ね、稚内の文化振興という観点からも欠かせないものとなっている。
 我々、成人は別にし子供たちにはどれほど糧になることか。地方都市にも拘らず何人かの活躍中の演奏家を輩出していることからも窺うことができる。
 稚内音楽文化協議会(中野修二会長)、北海道新聞社、稚内市の主催によって開かれてきているが、亡き井須氏が理事長、名誉顧問を務めていた稚内信金によるところが大きく増田理事長を陣頭に金庫一丸となって段取りを進め、泉下にある井須さんの思いを受け継いで行こうとする実行力には市民誰しも讃辞を送っていることでしょう。
 文化の効果というのは直ぐ出るものではなく、いわば息の長い地道な積み重ねが必要になる。継続は力なり。この言葉が当てはまる演奏会である。